Macを使っていくうちに不要なファイルが蓄積され、ディスクの容量が足りなくなり、手動で不要なファイルを削除している方も多いでしょう。
その際、大切なファイルを確認せずにゴミ箱を空にしてしまうことは、多くの人がついやってしまいがちなミスです。うっかりそのような操作をしてしまった場合、どうやってファイルのデータ復旧をしたらいいのでしょうか?
このブログではmacOSのファイル削除についての知識と共に、完全削除したファイルを復元する方法を3つお伝えします。macOSのファイル削除について知識があると、データ損失を最小に抑えることができます。
また、Macデータ復元ソフト Stellar Data Recovery for Mac の使い方もご説明します。
目次
削除されたファイルに関する基礎知識
ゴミ箱から削除されたデータの行方
ファイル復元の前の準備
ゴミ箱から削除されたファイルを復元する方法
まとめ
削除されたファイルに関する基礎知識
Macでファイルを削除するということは、一般的に以下の操作を指します。
- ファイルを選択してゴミ箱にドラッグ&ドロップする
- Command + Deleteキーを押す
そうすると、macOSでは選択したファイルは現在の場所からすぐに削除され、ゴミ箱へと移動します。削除したファイルを元に戻すには、Command + Zキーですぐに戻すことができます。
ゴミ箱に移動したファイルは、以下のいずれかに相当するまではゴミ箱の中にあります。
- 「ゴミ箱を空にする 」によるファイルの一括完全削除
- 「すぐに削除」を選択してゴミ箱の中のファイルを選択して削除
- 30日後に自動削除
しかし、ゴミ箱フォルダで「すぐに削除」を選択した場合、またはOption + Command + Deleteキーを押してゴミ箱の中身を完全削除した場合、macOSの標準操作では取り消しができません。
ゴミ箱から削除されたデータの行方
実はゴミ箱を空にしても、削除されたデータはハードディスクやSSDなどのストレージドライブに残っているのです。ハードディスクの場合、削除されたデータがあった領域は「未割り当て」または「空き」としてマークされるだけとなります。つまり、この時点では削除されたファイルは、別のデータがその領域を使用するまでそこに残るということになるのです。SSDの場合は、TRIMコマンドで削除されたファイルが上書きされるまで、です。
つまりこの削除された「未割り当て」または「空き」とマークされた領域にあるデータは理論的には復元することが可能なのです。
ファイル復元の前の準備
ゴミ箱から削除されたデータがストレージドライブ内にまだ残っていることは分かりました。つまり、ゴミ箱を空にした後にファイルを復元したい場合は、その領域がこれ以上上書きされないようにする必要があります。
ゴミ箱から削除されたファイルの復元作業を行う前に、まず次のように対処します。
- 既存ファイルへの上書きを防ぐため、一旦Macの使用を停止します。
- 外付けドライブからデータが削除された場合は、外付けドライブの使用を中止します。
- 誤って削除してしまったファイルやフォルダのTime Machineバックアップを探しましょう。
上記の操作で新たにデータが上書きされることを防いでから、データを復元する準備にとりかかります。
ゴミ箱から削除されたファイルを復元する方法
このセクションでは、削除されたデータを復元する具体的な方法3つをお伝えします。
方法 1: Time Machineで復元
外付けドライブを設定してバックアップに使用している場合、Time Machineを使用して空になったゴミ箱のデータを復元することができます。
ただし、Time Machineを使うには初期設定を既にしている必要があります。
Time Machineの初期設定の仕方を簡単にご説明します。
1. Macに外付けストレージデバイスを接続します。その後、アップルメニュー → 「システム環境設定」をクリックします。
2. 「システム環境設定」ウインドウから「Time Machine」をクリックします。
3. Time Machineの「バックアップディスクを選択…」をクリックします。
4. 先ほど接続した外付けドライブを選択して「ディスクを使用」をクリックします。これでバックアップに使用する外付けディスクの設定ができました。
5. この状態でディスクを選択するとバックアップが開始されます。
その他の設定に関してはAppleのこちらのサイトをご覧ください。
Time Machine で Mac をバックアップする (Appleサイトより)
この外付けディスクにあるTime Machineのバックアップがあると、空になったゴミ箱からファイルを復元することができます。Time Machine を使ったファイル復元の手順は次の通りとなります。
1. Time Machineで使用する外付けバックアップドライブが、Macに接続されていることを確認します。
2. 画面上部のメニューバーからTime Machineのアイコンをクリックし、「Time Machineに入る」を選択します。
注:Time Machineのアイコンがない場合は、アップルメニュー → システム環境設定 → Time Machineと進みます。そして、「Time Machineをメニューバーに表示」を選択します。
3. 復元できるバージョンが表示されるので、上/下 矢印ボタンを使ってTime Machineをブラウズします。
4. ゴミ箱の中からご希望の日時のデータを選択し、「復元」をクリックして戻します。
方法 2: データ復元業者に依頼
データ復元を専門に扱う業者に依頼するというのも一つの手です。ただし、どの業者に頼めばいいのか、料金がいくらかが分かりづらい、復元までの期間がどのくらいなのか、きちんとデータが復元されるのかどうかがはっきりしないなどの理由で二の足を踏む方もいらっしゃるでしょう。
一説には2万円あたりからというところが多く、復元元がHDDからなのか、外付けドライブからなのか、メモリーカードからの復元なのかという条件や状態によって料金はまちまちです。
また人の手によって復元するということになるので、データを業者の方に見られてしまいます。どうしてもそこに抵抗があるという方は、業者に依頼するという選択肢はなくなります。
方法 3: Macデータ復元ソフトを使う
ゴミ箱から削除されたデータの行方 でご説明した通り、ゴミ箱から削除したファイルは、上書きされない限りストレージドライブ内に残っています。ただ、ユーザーである私たちからは見えないのでアクセスできないという状態です。
その場合、Macのデータ復元ソフトを使用すると、特殊な方法でストレージデバイス全体をスキャンし、アクセスできないファイルを取り出すことができます。
Macデータ復元ソフトでは Stellar Data Recovery for Mac が非常に優れたソフトで多くの賞を受賞してきました。無料のトライアルバージョンでは最大1GBまでの削除されたファイルを復元することができます。
ここでは、Stellar Data Recovery for Mac を使ったデータ復元方法をご説明します。
1. Stellar Data Recovery for Mac の無料版を以下のリンクからダウンロードして、お使いのMacにインストールします。
Stellar Data Recovery Free for Mac 無料版
2.インストール後 Stellar Data Recovery for Macを起動します。「何を復元するか選択する」画面から、ゴミ箱から削除されたデータの種類を選択し「次へ」をクリックします。
3. 「ロケーションを選択」画面から、「Macintosh HD」を選択し、左下の「詳細スキャン」をオンにしてから右下の「スキャン」をクリックします。
注:「詳細スキャン」は綿密にファイルをスキャンするので多少時間がかかります。
4. スキャンが完了するとスキャン結果が表示されます。「削除リスト」タブをクリックして削除されたファイルをプレビューします。復元したいファイルであることを確認したら「復元」ボタンをクリックします。
その際、外付けのストレージデバイスなどの別のボリュームを保存先として選択後、「保存」をクリックしてファイルを復元します。
注: ファイルの種類によってはプレビューができない場合があります。
Stellar Data Recovery for Mac の無料版では、ドライブのスキャン、復元可能なファイルのプレビュー、および 1 GB までのファイルの復元を行うことができます。しかし、それ以上のファイルを復元するには、ソフトをスタンダード、プロフェッショナルなどの上位バージョンににアップグレードする必要があります。詳細は こちら をご覧ください。
まとめ
ゴミ箱を空にした後になって、重要なファイルを削除してしまったことに気づくのはよくあることです。Time Machineを使用してMacをバックアップし、データ損失を回避しましょう。
ただし、バックアップが古い、破損している、またはバックアップが全くない場合、Stellar Data Recovery for Mac などのMacデータ復元ソフトが大切なデータを回復するファーストチョイスとなります。
Stellar Data Recovery for Macは、空になったゴミ箱にあったあらゆる種類のファイルをオリジナルのままの名前とタイムスタンプ付きで復元することができます。また、このソフトはMacBook Air、MacBook Pro、iMac、iMac Pro、Mac Pro、およびMac miniなど、すべてのタイプのMacで使うことができます。対応OSバージョンは最新のmacOS Monterey 12.0およびそれ以下となっています。
ぜひ無料版をダウンロードして Stellar Data Recovery for Mac を実際にお試し下さい!
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